１○
発起人及び設立時取締役は，会社成立時の現物出資の財産の価額が定款記載の価額に著しく不足すれば，その不足額の支払責任を負う（５２条１項）。ただし，発起人及び設立時取締役の責任を問うことが相当でない場合，具体的には検査役の調査を得た場合又はその職務を行うにつき必要な注意を怠らなかったことを証明すれば責任が免除される（同条２項）。よって，肢は正しい。
＜条文＞　会社法５２条１項・２項
＜判例＞　－

２○
発起人は，出資に係る金銭の払込みを仮装した場合には，株式会社に対し，払込みを仮想した金銭の全額を支払う義務を負う（５２条の２・１項１号）。財産の給付を仮装した場合も同様で，発起人は，株式会社に対し給付を仮想した財産を，現実に給付する義務を負う（同項２号）。よって，肢は正しい。
＜条文＞　会社法５２条の２・１項１号・２号
＜判例＞　－

３○
発起人，設立時取締役又は設立時監査役は，株式会社の設立についての任務を行う責任がある。任務を怠ったときは，株式会社に対し，生じた損害を賠償する責任を負う（５３条１項）。よって，肢は正しい。
＜条文＞　会社法５３条１項
＜判例＞　－

４×
「過失があったときに責任を負う」とする点が誤り。発起人，設立時取締役または設立時監査役がその職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは，発起人，設立時取締役または設立時監査役は，第三者に生じた損害を賠償する責任を負う（５３条２項）。過失責任だと、発起人や設立時役員の負担が重く、なり手がいなくなる。
＜条文＞　会社法５３条２項
＜判例＞　－

５○
発起人・設立時取締役・設立時監査役が，株式会社・第三者に対し生じた責任を賠償する責任を負う趣旨は，株式会社・第三者を保護する点にある。損害賠償責任を負う発起人・設立時取締役・設立時監査役は連帯して責任を負うとすることが被害者保護に役立つ。したがって，これらの者は連帯債務者となる（５４条）。よって，肢は正しい。
＜条文＞　会社法５４条
＜判例＞　－