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令和3年 – 問19 – 行政書士 行政法

問題更新:2022-08-20 18:00:00

問題19 取消訴訟の原告適格に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当 なものはどれか。

1 地方鉄道法(当時)による鉄道料金の認可に基づく鉄道料金の改定は、当該鉄道の利用者に直接の影響を及ぼすものであるから、路線の周辺に居住し、特別急行を利用している者には、地方鉄道業者の特別急行料金の改定についての認可処分の取消しを求める原告適格が認められる。
2 文化財保護法は、文化財の研究者が史跡の保存・活用から受ける利益について、同法の目的とする一般的、抽象的公益のなかに吸収・解消させずに、特に文化財の学術研究者の学問研究上の利益の保護について特段の配慮をしている規定を置いているため、史跡を研究の対象とする学術研究者には、史跡の指定解除処分の取消しを求める原告適格が認められる。
3 不当景品類及び不当表示防止法は、公益保護を目的とし、個々の消費者の利益の保護を同時に目的とするものであるから、消費者が誤認をする可能性のある商品表示の認定によって不利益を受ける消費者には、当該商品表示の認定の取消しを求める原告適格が認められる。
4 航空機の騒音の防止は、航空機騒音防止法*の目的であるとともに、航空法の目的でもあるところ、定期航空運送事業免許の審査にあたっては、申請事業計画を騒音障害の有無および程度の点からも評価する必要があるから、航空機の騒音によって社会通念上著しい障害を受ける空港周辺の住民には、免許の取消しを求める原告適格が認められる。
5 都市計画事業の認可に関する都市計画法の規定は、事業地の周辺に居住する住民の具体的利益を保護するものではないため、これらの住民であって騒音、振動等による健康または生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのあるものであっても、都市計画事業認可の取消しを求める原告適格は認められない。

(注) * 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律

正解4×

〔3-19〕

解説

1×
「鉄道の利用者」に「原告適格」は認められない(最判平元.4.13)。「原告適格」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう(行訴9条1項)。「鉄道の利用者」の権利は害されているとも思えるが,請求を認めると濫用の恐れがある。利用者の利益は個別的に保護されない。一般公益の中でやむを得ない制約とみる。よって、「鉄道の利用者」の「原告適格」は否定するのが妥当である。

2×
「学術研究者」に「原告適格」は認められない(最判平元.6.20)。理由は、「学術研究者」が個人的利益を守るために、都市開発を中止させるおそれがあるからである。そもそも、「史跡の保存・活用から受ける利益」は誰の利益かというと、「国民の利益」である。ゆえに、「文化財保護法」にも、「学術研究者の学問研究上の利益の保護について特段の配慮」する規定は置いていない。「学問研究上の利益」は、事実上の利益となる。よって、「学術研究者」の「原告適格」は否定するのが妥当である。

3×
「消費者」に「原告適格」は認められない(最判昭53.3.14)。理由は、「商品表示の認定」を、「消費者」であるというだけで取り消せると、濫訴で行政が機能不全に陥るおそれがあるからである。「不当景品類及び不当表示防止法」の目的は、「一般消費者の利益を保護すること」であり、「個々の消費者」の保護ではない。したがって、「個々の消費者」に「商品表示の認定の取消し」をする利益は法律上保護されない。また、「消費者」の利益保護は、「公正取引委員会」が機能すれば十分であり、このような権利を認める必要もない。よって、「原告適格」は否定するのが妥当である。

4〇
「社会通念上著しい障害を受ける空港周辺の住民」に「原告適格」が認められる(最判平元.2.17)。理由は、「空港周辺の住民」が、社会的な受忍限度を超える健康被害を受けており、取消訴訟を認める必要があるからである。「原告適格」は、「処分を定めた行政法規が、不特定多数者の具体的利益をもっぱら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含む」場合にも認められる。「航空機騒音防止法」は、「申請事業計画」で「騒音障害の有無及び程度」を考慮しており、周辺住民の健康を個別的権利として保護する趣旨が読み取れる。よって、「空港周辺の住民」に「原告適格」を認めるのが妥当である。

5×
「事業地の周辺に居住する住民」に「原告適格」が認められる(最大判平17.12.7)。理由は、「住民」が、社会的な受忍限度を超える健康・環境被害を受けており、取消訴訟を認める必要があるからである。「公害対策基本法等の規定の趣旨及び目的をも参酌」すれば、「都市計画法」は、「事業に伴う騒音,振動等によって,事業地の周辺地域に居住する住民に健康又は生活環境の被害が発生することを防止」「することも,その趣旨及び目的」であるといえる。すなわち、「都市計画法」は、「住民」の「騒音、振動等」により「健康または生活環境」を侵害されない自由を個別的権利として保護する趣旨を含んでいる。よって、「事業地の周辺に居住する住民」の「原告適格」を認めるのが妥当である。

短答王国行政書士
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