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令和3年 – 問31 – 行政書士 民法

問題更新:2022-08-20 18:00:00

問題31 AとBは、令和 3 年 7 月 1 日にAが所有する絵画をBに 1000 万円で売却する売買契約を締結した。同契約では、目的物は契約当日引き渡すこと、代金はその半額を目的物と引き換えに現金で、残金は後日、銀行振込の方法で支払うこと等が約定され、Bは、契約当日、約定通りに 500 万円をAに支払った。この契約に関する次のア~オのうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア 残代金の支払期限が令和 3 年 10 月 1 日と定められていたところ、Bは正当な理由なく残代金 500 万円の支払いをしないまま 2 か月が徒過した。この場合、Aは、 Bに対して、 2 か月分の遅延損害金について損害の証明をしなくとも請求することができる。
イ 残代金の支払期限が令和 3 年 10 月 1 日と定められていたところ、Bは正当な理由なく残代金 500 万円の支払いをしないまま 2 か月が徒過した場合、Aは、Bに対して、遅延損害金のほか弁護士費用その他取立てに要した費用等を債務不履行による損害の賠償として請求することができる。
ウ 残代金の支払期限が令和 3 年 10 月 1 日と定められていたところ、Bは残代金 500 万円の支払いをしないまま 2 か月が徒過した。Bは支払いの準備をしていたが、同年 9 月 30 日に発生した大規模災害の影響で振込システムに障害が発生して振込ができなくなった場合、Aは、Bに対して残代金 500 万円に加えて 2 か月分の遅延損害金を請求することができる。
エ Aの母の葬儀費用にあてられるため、残代金の支払期限が「母の死亡日」と定められていたところ、令和 3 年 10 月 1 日にAの母が死亡した。BがAの母の死亡の 事実を知らないまま 2 か月が徒過した場合、Aは、Bに対して、残代金 500 万円に 加えて 2 か月分の遅延損害金を請求することができる。
オ残代金の支払期限について特段の定めがなかったところ、令和 3 年 10 月 1 日に AがBに対して残代金の支払いを請求した。Bが正当な理由なく残代金の支払いをしないまま 2 か月が徒過した場合、Aは、Bに対して、残代金 500 万円に加えて 2か月分の遅延損害金を請求することができる。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・エ
4 ウ・エ
5 ウ・オ

正解3×

〔3-31〕

解説

ア○
債務不履行を理由とする損害賠償請求では,債権者は損害の証明を要しない(419条2項)。法定利率による損害賠償を求める場合,売買代金に404条2項から5項所定の変動利率の計算に従えば損害の発生及び数額が確認でき,損害の算定は明白・容易だからである。よって,肢は正しい。
<条文> 419条2項
<判例> -

イ×
債務不履行を理由とする損害賠償請求では,債権者は損害の証明を要しない(419条2項)。この規定に従えば,債権者は約定または法定の利率を超える損害が生じたことを証明しても,請求できない。したがって,債権者は,債務不履行を理由とする損害賠償請求で,弁護士費用その他取り立てに要した費用等を損害の賠償として請求できない。よって,肢は誤り。
<条文> 419条2項
<判例> 最判昭48.10.11

ウ○
債務不履行を理由とする損害賠償請求では,債務者は,不可抗力をもって抗弁にできない(419条3項)。金銭は,有体物と違って価値代替性があり,外部から容易に調達できる。そのため,金銭の支払いは,履行しようと思えばできる。遅滞について帰責事由は観念できない。したがって,不可抗力により履行遅滞が生じても,債権者は遅延損害金を請求できる。よって,肢は正しい。
<条文> 419条3項
<判例> -

エ×
「母の死亡日」は,到来は確実だが具体的な日にちは不明であり,不確定期限に当たる。債務の履行について不確定期限があるときは,債務者は,その期限の到来した後に履行の請求を受けた時またはその期限の到来したことを知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う(412条2項)。本件では,債務者であるBはAから請求を受けず,またBはAの母の死を知らなかった。したがって,同項の要件を満たさず,Bは遅滞の責任を負わない。AはBに遅延損害金を請求できない。よって,肢は誤り。
<条文> 412条2項
<判例> -
オ○
債務の履行について期限を定めなかったときは,債務者は,履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う(412条3項)。本件では,残代金の支払いについて特段の債務がなく,BはAから請求を受けた令和3年10月1日から遅滞の責任を負う。したがって,Aは,Bに対して残代金に加えて2ヶ月分の遅延損害金を請求できる。よって,肢は正しい。
<条文> 412条3項
<判例> -

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