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令和2年 – 問23 – 行政書士 行政法

問題更新:2022-08-20 18:00:00

問題23  地方自治法の定める自治事務と法定受託事務に関する次の記述のうち、正しいも のはどれか。

1 都道府県知事が法律に基づいて行政処分を行う場合、当該法律において、当該処分を都道府県の自治事務とする旨が特に定められているときに限り、当該処分は自治事務となる。
2 都道府県知事が法律に基づいて自治事務とされる行政処分を行う場合、当該法律に定められている処分の要件については、当該都道府県が条例によってこれを変更することができる。
3 普通地方公共団体は、法定受託事務の処理に関して法律またはこれに基づく政令によらなければ、国または都道府県の関与を受けることはないが、自治事務の処理に関しては、法律またはこれに基づく政令によることなく、国または都道府県の関与を受けることがある。
4 自治紛争処理委員は、普通地方公共団体の自治事務に関する紛争を処理するために設けられたものであり、都道府県は、必ず常勤の自治紛争処理委員をおかなければならない。
5 都道府県知事は、市町村長の担任する自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き、かつ明らかに公益を害していると認めるときは、当該市町村に対し、当該自治事務の処理について違反の是正または改善のため必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

正解5×

〔2-23〕

解説

1×
自治事務とは、地方公共団体が処理する事務のうち法定受託事務以外のものをいう(自治2条8項)。 地方自治法に特に定めがない場合であっても、法定受託事務以外はすべて自治事務である。地方自治は広範囲である。自治事務は広く認められるべきだからである。「当該処分を都道府県の自治事務とする旨が特に定められて」いる必要はない。 (注)法定受託事務とは、国が本来果たすべき役割に係るもので、国においてその適正な処理を特に確保する必要のあるものとして定めのあるもの(国政選挙に関する事務や旅券の交付、国道の管理、国の指定統計等)(自治2条9項1号法定受託事務)と、市町村または特別区が処理することとされる事務のうち、都道府県が本来果たすべき役割にかかるものであって、都道府県においてその適正な処理を特に確保する必要があるもの(都道府県の選挙に関する事務等)(自治2条9項2号法定受託事務)とがある。

2×
都道府県知事が法律に基づいて自治事務とされる行政処理を行う場合、「当該法律に定められている処分の要件については、当該都道府県が条例によってこれを変更すること」は、できない。理由は、「法律による行政の原理」により、普通地方公共団体は、法令に反する条例の制定は、認められないからである(自治14条1項)。

3×
「法定受託事務の処理に関しては、法律またはこれに基づく政令によらなければ」ならない(自治2条9号)。前段は正しい。同様に、自治事務の処理に関しても、恣意的な干渉は民主的な地方自治の運営を害する。「法律またはこれに基づく政令によることなく」、普通地方公共団体は、国または都道府県の関与を受けることはない(自治245条の2)。したがって、後段は誤りである。

4×
自治紛争処理委員とは、地方公共団体に置かれる付属機関で、地方公共団体相互の争い等を処理する第 三者機関である(自治251条)。地方公共団体相互の争いは、多発するものではない(2020年度は、国 レベルで4件、各自治体では年間を通して、1件あるかないか)。そのため、紛争件数も少なく、経費 もかかるため事件ごとに任命される非常勤である(自治251条3項)。「都道府県は、必ず常勤の自治 紛争処理委員を置かなければならない」わけではない。

5○
「市町村長の担任する自治事務の処理が法令の規定に違反・・・または著しく適正を欠き、かつ明らかに公益を害していると認めるとき」、都道府県知事は、「当該自治事務の処理について違反の是正または改善のため必要な措置を講ずべきことを勧告(行政機関が参考として提出する意見)することができる」(自治245条の6第1号)。理由は、地域をまとめる責任から都道府県知事には、当該自治事務の処理に関し、適正かつ公正に服するように指導する責任があるからである。

短答王国行政書士
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