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令和2年 – 問13 – 行政書士 行政法

問題更新:2022-08-20 18:00:00

問題13  行政手続法の定める申請の取扱いに関する次のア~オの記述のうち、正しいもの の組合せはどれか。

ア 申請がそれをすることができる期間内にされたものではない場合、当該申請は当然に不適法なものであるから、行政庁は、これに対して諾否の応答を行わず、その 理由を示し、速やかに当該申請にかかる書類を申請者に返戻しなければならない。
イ 許認可等を求める申請に必要な書類が添付されていない場合、行政庁は、速やかに、相当の期間を定めて当該申請の補正を求めるか、あるいは当該申請により求め られた許認可等を拒否しなければならない。
ウ 行政庁は、申請により求められた許認可等のうち行政手続法に列挙されたものについて、これを拒否する処分を行おうとするときは、予めその旨を申請者に対し通 知し、当該申請者に弁明書の提出による意見陳述の機会を与えなければならない。
エ 行政庁が申請の取下げまたは内容の変更を求める行政指導を行うことは、申請者がそれに従う意思がない旨を表明したにもかかわらずこれを継続すること等により 当該申請者の権利の行使を妨げるものでない限り、直ちに違法とされるものではな い。
オ 行政庁が、申請の処理につき標準処理期間を設定し、これを公表した場合において、当該標準処理期間を経過してもなお申請に対し何らの処分がなされないときは、当該申請に対して拒否処分がなされたものとみなされる。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・エ
4 ウ・エ
5 ウ・オ

正解1×

〔2-13〕

解説

1○
「聴聞、弁明の機会の付与のいずれの場合にも」「当事者は代理人を選任することができる」。 聴聞とは、行政機関が行為・決定に先立ち、国民本人またはその他の関係人に対して、意見を述べる機会を与える正式の手続きをいう。弁明とは、行政機関が行為・決定に先立ち、国民本人に対して、行政機関に対する自分の言行等を説明し、意見を述べる機会を設ける略式の手続きをいう。理由は、聴聞、弁明いずれも手続保障(憲31条)の観点から定められている。本人が直接、意見を述べられない場合(未成年者や高齢者等)には、代理人が行うことが保障されるべきだからである(行手16条1項、31条)。

2×
聴聞は、許認可等の取消しの場合に行われる手続である(行手13条1項1号イ)。当事者に重大な不利益が生じるからである。許認可等の拒否処分の場合、弁明の機会は不要である。拒否処分は、申請に対する処分であり、不利益処分ではない。弁明は、不利益処分に対しる手続だからである。(行手13条1項2号)

3×
聴聞は、口頭で行われる。弁明については、当事者から求めがあったとしても「口頭により弁明する機会を与え」る必要はない。理由は、弁明は、簡易迅速な対応をするため、行政庁が口頭ですることを認めた場合を除き、書面を提出して行われる略式の手続きだからである(行手29条1項)。

4×
聴聞は、「当該処分について利害関係を有する者がこれに参加することは、認められ(る)」。理由は、聴聞とは、行政機関が行為・決定に先立ち、国民本人またはその他の関係人に対して、意見を述べる機会を与える正式の手続きをいう。そのため、利害関係者も参加することが、当該手続きの目的にかなうからである(行手17条1項)。弁明については、利害関係者の参加は認められない。理由は、弁明とは、行政機関が行為・決定に先立ち、国民本人に対して、行政機関に対する自分の言行等を説明し、意見を述べる機会を設ける略式の手続きをいう。迅速性が強く求められる。利害関係を有する者の参加まで認めるのは、迅速性を害するからである。

5×
聴聞は「文書を閲覧する権利」が認められる。理由は、聴聞とは、行政機関が行為・決定に先立ち、国民本人またはその他の関係人に対して、意見を述べる機会を与える正式の手続きをいう。意見を述べるに先立ち、「処分の原因に関する全ての文書を閲覧する」必要があるからである(行手18条1項)。  弁明については、「文書を閲覧する権利」は有しない(行手31条参照)。理由は、弁明とは、行政機関が行為・決定に先立ち、国民本人に対して、行政機関に対する自分の言行等を説明し、意見を述べる機会を設ける略式の手続きをいう。簡易迅速な対応のために設けられた。処分の原因に関する文書の閲覧まで認めるのは、迅速性を害するからである。

短答王国行政書士
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