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令和2年 – 問10 – 行政書士 行政法

問題更新:2022-08-20 18:00:00

問題10  普通地方公共団体が締結する契約に関する次の記述のうち、地方自治法の定めに 照らし、妥当なものはどれか。

1 売買、賃借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約、せり売りのほか、条例で定める方法によっても締結することができる。
2 売買、賃借、請負その他の契約を、指名競争入札、随意契約またはせり売りの方法により締結することができるのは、政令が定める場合に該当するときに限られる。
3 一般競争入札により契約を締結する場合においては、政令の定めるところにより、契約の目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最高または最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とするものとされており、この点についての例外は認められていない。
4 随意契約の手続に関し必要な事項は、当該普通地方公共団体が条例でこれを定める。
5 契約を締結する場合に議会の議決を要するのは、種類および金額について政令で定める基準に従い条例で定めるものを締結するときであって、かつ指名競争入札による場合に限られる。

正解2×

〔2-10〕

解説

1×
・行政契約とは、国や地方公共団体等の行政主体が行政目的で締結する契約をいう。
・公正な契約、不要な出費防止という点から競争契約が原則である(会計法29条の3第1項、自治234条2項)。随意契約による場合は、なるべく見積書を徴することとなっている(予算決算及び会計令99条の6等)。
(注)入札とは、競争に加わる者に文書によって、契約内容を表示させることをいう。最も有利な内容を表示した者を相手方として、契約を締結することをいう。 行政契約は、地方自治法で定めるものに限定される。「条例で定める方法」では、締結できない(自 治234条1項)。理由は、公金の支出を伴うことから、全国的規模で経済性(価格の有利性)・公 正性(機会均等)・透明性を担保する必要があるためである。

2○
「指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによるこ とができる」(自治234条2項)。理由は、公金の支出を伴うことから、全国的規模で行うべきで ある。行政における経済性(価格の有利性)・公正性(機会均等)・透明性を、全国統一して担保す る必要がある。

3×
原則は「予定価格の制限の範囲内で最高または最低の価格」とするが、例外が認められている(自治234条3項ただし書)。理由は、一般競争入札(競争契約の1つである)とは、最も有利な内容の相手方と締結する契約をいう。ゴミ廃棄物処理、危険物処理等、契約する業種内容によれば、金額だけではなく、そのノウハウ・経験等も重要な判断事項になる。契約を締結する上で、金額以外の事柄も重要な判断材料になるからである。

4×
「随意契約の手続きに関して」「当該普通地方公共団体が条例で」定めることはできない(自治234条項6項)。理由は、行政契約も行政と私人との間での契約である。契約が行政と私人の間で行われる以上、条例により「手続に関し必要な事項を」定めることとしてしまうと、行政側が一方的に有利になる危険性がある。その結果、契約の公正性、透明性を害するおそれがあるためである。

5×
「契約を締結する場合に議会の議決を要するのは」「政令で定める基準に基づき条例で定めるものを締結するときであって、かつ指名競争入札による場合に限られ」ない(自治96条1項5号)。理由は、普通地方公共団体の議会は、地域住民の代表からなる民主的な意思決定機関である。契約を締結する最終的な判断は、議会の議決を要するとするのが、妥当だからである。 ○イ途中までは、条例ではできない。最終的判断は、普通地方公共団体の議会でできる。

短答王国行政書士
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